アニキの話

今日は、お許しが出たので
うちの息子のことを書こうと思います。

息子は中学二年生、このブログによく登場する娘のアニキにあたります。

中二といえば、まさに厨ニ病まっさかりのシーズン。
かれが、どんな邪気眼を発揮してくれるか、
わたしは正直楽しみにしてました。

考えてみれば、わたしが中学二年のときはかなりの厨ニ病でした。

校舎の屋上にのぼって海を眺めながら、

イエス・キリストの気持ちがよくわかる」とつぶやいたり、

新しいマイ宗教を考案したり、
自分にしかない特別な異能の力があると本気で信じ込んだり

当時わたしが持っていた(ると信じていた)特殊能力は

「三次元空間認識」

というチカラでした。

それがあると、自分がいまどこにいるのかを知ることができるのです。

つまり、例えば自分が教室にいると、頭の中に校舎の全体像が浮かんで
その中の、どこそこに自分がいるということがわかります。
次に理科室に移動すると、頭の中の地図も移動して自分の現在地を教えてくれるのです。

中ニ当時は、自分のこの特殊能力に惚れ込んでいましたが、

よく考えたら、これは特殊能力でもなんでもありません。

だって、自分で移動してるんだから。

そんなもんわかって当然です。

どうも本来、この能力は

自分が拉致誘拐されて自分の居場所がわからなくなったときに

効果を発揮するという設定だったようなんですが、

幸か不幸か、中学生のわたしは一度も誘拐されることがなく

「三次元空間認識」が真価を発揮することはありませんでした。

あれから、四半世紀がすぎ、

わたしは、この埋もれてしまった力をなんとか息子に伝授しようとしているのですが、

「三次元空間認識」の話をすると、息子にはイヤーな顔をされてしまいます。

中ニたるもの、特殊能力の一つくらいは持ってしかるべき、だと思うんですが。

嫁に言わせると、息子にはすでに私から受け継いだ恐ろしい能力があるそうです。

それは

「部屋を散らかす能力」そんなのヤダ、もっとカッコいいチカラがいいです。